ゼロからわかる心理学

心理学は、科学的な方法を使って心の仕組みをとらえようとします。

心理学の研究でわかるのは、多くの人に共通する性質や傾向です。多くの人にあてはまるからといって、目の前の相手にも当てはまるとは限りません。

心理学の専門家であっても、人の心は大変複雑であるため、すべて見透かすようなことはできないのです。

広島大学大学院人間社会科学研究科の杉浦義典准教授によれば、最近の研究では性格のおよそ50%は遺伝的な要因で、のこりの約50%は環境的な要因でつくられているという結論になっていると言います。

ビッグ・ファイブ理論では、性格を構成している特性は「外向性」,「協調性」,「良心性」,「情緒安定性」,「知性」の5個に集約でき、人の性格はこの5個の特性の量的なちがいであらわせると考えます。

とくに臨床心理学の分野では自分の性格のせいで生きづらい思いをしているという人に対しても、性格を変えることを考えるよりは、自分の性格を正しく捉えることで、自分自信と周囲の人々や社会との間でうまく折り合いをつけて生きていけるような方法を考えるというアプローチが主流になっています。
こうした方法の例として、「認知行動療法」や「マインドフルネス」といった手法が近年注目を集めています。

ステレオタイプは、私たちが複雑な社会で生き延びるための手段の一つともいえるものです。しかしときにステレオタイプは、わたしたちの考え方や行動、態度を偏らせていきます。それは「偏見」と呼ばれることもあります。偏見にもとづき他社に不利益を与える行為は「差別」とよばれます。そのため、わたしたちは、特定のステレオタイプにしたがって他者を判断していないかどうかを振り返る必要があります。

アメリカの心理学者で行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーは、1979年に「プロスペクト理論」を発表しました。この理論によると、同じものであっても、人によっては得るときに感じる価値よりも、失うときに感じる価値のほうが大きくなります。そして何かが失われそうになると、それを失わずにすむ方法を選択する傾向があるといいます。この性質は、「損失回避性」とよばれます。

セルフ・ハンディキャッピングをつづけることで、自己評価が下がらなくなるため、向上心や挑戦心が育たないといった弊害も出てきます。現実の自分に向き合い、受け入れるには、自分の行動がセルフ・ハンディキャッピングによるのではないかと注意することが大切です。

高橋博士によれば、私たちが覚えている出来事に記憶を「楽しい出来事」「普通の出来事」「嫌な出来事」に分類すると、どのような研究でも、おおむね楽しい出来事の記憶が約50%くらいと最も多くを占めているといいます。普通の出来事の記憶は約30%、嫌な出来事の記憶は約20%だそうです。

またアイデンティティはすぐにしっかりと確率されるのではなく、徐々に確率されていきます。危機は青年期以降もあらわれ、生涯にわたりアイデンティティは模索されると考えられます。

引きこもりは今、本人とその親の高齢化が問題となっています。これは家族と本人との関係が固定化して引きこもりを何とかしようという気持ちが小さくなってしまうとともに、親は他人にこの状況をいいづらいことから、外部の介入が難しくなるためです。つまり一度引きこもりの形ができあがってしまうと、なかなか解決が難しいのです。

コロナ禍からはじまったリモートワークが引きこもりを加速させてもおかしくないのでは。

たとえば、他者をけちだと非難する人ほど、お金への強い執着心がかくれている可能性があるという。

なるほど。

私たちにできるのは、欲求不満をためないようにすること、あるいは自分にとって不快な情報が目に入る機会を減らすことである。

人は欲求不満と触発が重ならなければ攻撃することがない。

一方、これから取り組もうとする活動について、「自分はできるだろう」という確信のような感覚をもつことを「自己効力感」といいます。このような感覚をもつ人は、過去に似たような成功体験があったり、ほかの人が取り組むのを見ていてどうすれば成功するかをシュミレーションできていたりします。また、気分を高揚させたり、成功体験を想像したりすることも自己効力感をもつために効果的です。自己効力感があれば、学習やスポーツ、人間関係、仕事などに、より自信をもって臨むことができます。

自己効力感=エフィカシー。エフィカシーを持つことができれば、未来が明るい。

一般的に40歳から65歳ごろはエリクソンによると成人期、または中年期とよばれています。最も安定、充実している時期と言われる一方、中年クライシスという言葉も有名です。仕事では責任感のある地位につき、やりがいを感じる一方で、その責任の重さや、体力や能力の限界、親の介護などさまざまな事態に直面する時期です。

中年期以前は、個人のライフサイクルの中だけの課題に取り組んできましたが、中年期は世代間という長い時間軸や社会とのつながりを考えるという意味で、それまでと大きくことなるといえます。これがうまくいかなければ、関心は自分自身にとどまり、停滞の状態になるとされます。

しかし老年期では、自分でつくらなければ目的はなくなります。

これはすでに味わっているかも。起業もおなじ。自分でつくらなければ目的はなくなる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1992年生まれ。30歳のときに活力の衰えを感じ、危機感を覚える。テストステロン値の低下が招いたものだと仮説立てる。筋トレを再開してから、活力がみなぎる。趣味はゴルフ。

目次